2011/08/30(火)ぐるなびを居抜き

※以下の記述は社内有志の調査に基づくものです

会社近所の居酒屋が閉店。
しばらく工事していたが、9/1に別の店がオープンすると告知が出ていた。
  ↓
新しい店名で調べると、既にぐるなびにページができていた。
「神保町 個室 接待 和食 居酒屋 八吉 http://r.gnavi.co.jp/g243613/
  ↓
まだオープンしていない店なのに、なぜか既に「口コミ」が登録されている。
具体的な店舗立地についても触れられており、サンプルコメントでもなさそう。
しかし口コミに出てくる料理と、新店舗が売りにしているメニューが一致しない。
よく見ると、口コミの登録が2010年6月である。
  ↓
一同困惑
  ↓
閉店した旧店舗について言及したWeb上の記事が発見される。
http://q.hatena.ne.jp/1246978555 の中の記述
「神保町 個室居酒屋 五大陸 http://r.gnavi.co.jp/g243613/
  ↓
店舗が違うのにURLが同じ!
  ↓
旧店舗も新店舗も同一会社による別ブランドだと言うことがわかる。
http://www.ichirokudo.com/
  ↓
どうやらぐるなびの登録をそのままに、内容をそっくり入れ替えただけらしいと言うことが判明。


確かにぐるなびのURLは飲食店にとって重要な資産かもしれない。
結局同一会社の運営だったので、こういう処置もわからんでもないのだが、口コミまで引き継いでるものだからびっくりした……

これを見て「ぐるなびも居抜き。。。」と表現した某さんのセンスがすごかったので、思わず書き留めてみたのでした。

2011/07/19(火)このご時世に海賊放送?

このご時世に海賊放送(無許可放送局)とかびっくりしたので思わず調べてみた。

一般報道なので数字が断片的にしか出ていないのだけど、いくつかの記事をつなぎ合わせると何となく規模がわかる。
ちなみにコミュニティFMの出力が20W以下というレベルなので、42Wってかなりのもんですよ。
送信設備もそれなりだったっぽい。(スタジオ設備は?)
無線関係の仕事にに従事している以上、諸々の規制は熟知しているはずなので、こんな事やるのは馬鹿以外の何ものでもないわけですが。

ちなみに、12年前だとまだSHOUTcastも出ていない頃。まあ、インターネット放送が一般化したのってここ数年だからね。(一応ライブドアねとらじでも配信してた気配はあった)


動画によると、それなりのアンテナを挙げていた模様。

(追記 14:55)
こっちの動画にも機材がちらっと写っている。


illegal-radio.png

(^^;

2011/06/16(木)新聞記事のポータルサイト向け配信と、その責任の所在

名誉毀損訴訟:ヤフーに賠償命令 「手錠姿」配信写真掲載で--東京地裁 - 毎日jp(毎日新聞)
とか
ロス疑惑報道で産経新聞とヤフーに賠償命令 東京地裁 - MSN産経ニュース
とか
asahi.com(朝日新聞社):ヤフーと産経に66万円賠償命令 三浦和義氏の写真掲載 - 社会
の話。
ほかにも同様の記事がいっぱい出てるんで、気になる人は検索して読んでみてください。

いやー、これどうするんだろ、という気持ちです。
以前の仕事で、いくつかの新聞社からニュース記事の配信を受けていたことがありまして。そのときに各新聞社さんから、ポータルサイト向けの記事配信の条件を諸々聞いたのを思い出しました。

以下、複数の新聞社さんからのお話をまるっと丸めてますが、だいたいどこも同じような条件でした。

・記事には必ず配信元(新聞社)を明記しなければならない
記事自体の権利を主張するというのもあるのですが、その記事の文責が誰にあるのかを明確にする必要があるためです。実際に、ポータルサイトに掲載した記事にクレームがつくことはあるらしいのですが、そのときに誰の責任で記事が書かれたのかを明確にするために、必ず配信元は明記して欲しいと要請されました。

・記事の訂正は速やかに反映しなければならない
実は、どこの新聞社の記事もそれなりの頻度で「更新」「訂正」「削除」が入ってます。短かった記事が書き足されて記事が充実することもあれば、固有名詞の間違いが訂正されるようなものもあります。また、記事自体が取り下げられる場合もあります。これらの訂正が新聞社から出た場合、ポータルサイト側でも速やかに反映するように要請されます。
これも前の件と同様で、記事自体は新聞社が責任を持つものなので、新聞社側が訂正をしたらそれがすぐに反映されてくれないと困ります、ということです。

・ポータルサイトが個別記事の掲載・非掲載を制御してはいけない
新聞社から配信された記事はすべてポータルサイト側でも掲載しなければなりません。ポータルサイトの都合で一部の記事の掲載を差し止めたりしてはいけないと言うことになっています。
これも前述の条件と同じで、記事の責任が誰にあるのかを明確にする、ということからきています。記事を公開することの責任と同じように「公開しなかった」ことの責任というのがあります。その責任を含めて新聞社側が持つので、ポータルサイト側は公開・非公開の判断をしてはいけないと言うことになっています。
あと、これにはポータルサイトが自分にとって都合の悪い記事を「なかったこと」にするのはいけません、という話も含まれています。


さて、こんな感じで、ポータルサイトと新聞社はそれなりに記事の執筆責任というものを気にしておりまして、それを明確にするように種々の取り決めを行っていた訳なんですが。今回の判決ではこの辺の分担が認められなかったと言うことになり、色々前提が吹っ飛んだ感じになります。

素直に判決を受け取ると、記事の配信を受けるポータルサイト側にも編集・判断機能を持つべし、と言うことになるのですが、そうするとますます記事の責任の所在が曖昧になるような気もするんですが、どうですかね?

なにげに新聞社の記事配信も一般化して、大手ポータルサイト以外にも配信を受けてるところが結構あるんですが、どうなるんでしょうね、これ。

2011/05/09(月)クラウドインフラの証券化とその人生

どっかで書いた気もするけど、近未来の予測放談。
今後はクラウドインフラが証券化されて市場で流通するのではないかという妄想。いまでも企業への投資という形で間接的にはそうなっていると言えなくもないけど、今後はもっと直接的に「このクラウドに投資する」「このクラウドは利回り○%を期待できる」みたいな会話が交わされるようになるんじゃないかなーと。
その背景として考えたのは、やっぱクラウド関連インフラへの調達はそれなりに額が大きくてリスクが高いと言うこと。そして、大規模化する方が諸々有利と。いまは既存のプレーヤーが自分の体力の範囲内で投資を行っていますが、そのうち大規模化が体力を越えるというケースが出てくるでしょう。そもそも、クラウドってのは「不所有」による資産リスクの低減ってのが売りなわけですが、クラウド事業者にとってはそのリスクを集中的に被っているようなものなので、証券化でもしてリスクの分散を図らないとやってられなくなるわけです。
クラウド関係の技術は新ネタが出てくるのも早いし、一つの事業者が運用する複数のクラウドインフラでそれぞれ方向性が異なる事だって十分にあり得るわけです。たとえば、金融系対象のクラウドは一度売れてしまえば安定して利用されるが収益率は低い、Web系は高利回りだが顧客の落ち着きがないので売り上げ急減のリスク有り、とか。そんなことを考えると、市場で売買されててもおかしくないよね?

クラウド事業者にとっては、クラウドインフラって立ち上げるだけでなくて、そのクローズまでを見通す必要も出てくるんだよね。今はどこも立ち上げ期なのであんまり考えてないかもしれないけど、クラウドインフラの一生というのは考えてみてもいいと思う。

1. 立ち上げ期
初期のインフラ投資とスタートアップ顧客の獲得。
新しい技術・新しい課金体系・新しい切り口などで切り込んでゆく。
多少ディスカウントしてでも目立つ顧客を囲い込んで、ケーススタディにしたりとか。
利益よりもパイの拡大が先行する季節。

2. 拡大期
一定規模、且つ、成長株のの顧客が数件見え始める。新規の顧客も続々。
インフラ自体も拡大傾向で、投資額が右肩上がりになるが、売り上げの拡大がそれを上回る。
多少いびつな局面が見え始めても、勢いで伸ばしてゆける感じ。

3. 安定期
新規の顧客の流入が鈍り、既存の中堅・大規模顧客の売り上げがクラウド全体の売り上げを支配する印象が強くなる。
インフラ投資は既存顧客の拡大分+α程度。インフラ投資が抑えられる分、利益率は向上の気配があり。
ダイナミックさはなくなっても利益的においしいので事業的にはOK。

4. 縮小期
大規模顧客が数件抜け始める、ちょっと旬が過ぎた感じが世間的にも漂う。
コンペティタのより良い・安いサービスに追い上げられる。
インフラの拡大は停止。ありもので運用を回しつつ、効率化でぎりぎり利益を確保する局面。

5. EXIT
主要な顧客は他社or自社の後継サービスに移行済み。どうしても抜けられない顧客だけが残る最終局面。
運用もぎりぎりのところまで縮退し、隙あらばサービス廃止に持ち込みたい気持ち。
場合によっては残った顧客とインフラごと別の会社に売り払ってEXIT完了。

なんてね。
あくまで妄想ベースなので、何か事例があるとかそういうわけじゃないです。なんというか、惑星の一生みたいな感じで考えてました。
クラウド事業者は今後、こんな感じでインフラを改廃しながら事業を続けていくことになるんじゃないかと。

で、さらっと書きましたが、縮小期を過ぎて「おいしい」ところのなくなったクラウドインフラってのは、顧客ごと転売されるってケースもありそうだよねとか思ってます。そういうレガシーインフラを顧客ごといくつも買い集める会社も出てくるんじゃないかな。集めた顧客に投資して、次世代のインフラに集約・移行させてまた売りに出す、再生会社みたいなイメージ。


どんなもんでしょうね?