2008/06/10(火)Etherケーブルを自作するかどうか
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0806/09/news019.html
システム構築の達人は、決してLANケーブルを既製品で済ますことはない――そんな言い伝えもまことしやかにささやかれる一方で、LANケーブルを自作できない方が増えてきた。のっけからこんな話が書かれていますが、そういうわけでもないんですよね。
実際ISPやインテグレーション構築の現場でもわざわざ自作することはほとんどないですね。
100Mbpsならいざ知らず1Gbpsが平気で流れる昨今、ケーブルに対する要求もシビアになってますので、自分で作ったケーブルが思わぬ障害の原因に、何てことも十分にあります。
ちなみにどのぐらい要求がシビアかと言うと、ケーブルの端をRJ-45コネクタに突っ込む部分でよりをほどきますが、このほどく部分の長さが何mm以下と決まっているちうぐらい。手でやってたんじゃよっぽど熟練してない限りできませんよ?
商用レベルでケーブルの自作を行う場合、記事にもあるとおり正しく結線されているかをケーブルテスターで調べるのが最低条件になります。これも1~2万円で売ってる結線だけをチェックするテスターじゃなくて、周波数特性まで確認できるまともなテスターが必要になります。
構築となると、小規模な案件でもケーブル20本とか50本は平気で使います。そんなのわざわざ手で作ってテストまでやってたら相当時間かかりますよ?手間(と工数単価)を考えると買ってきたほうが安いです(苦笑)
そしてインテグレーション案件の場合、ケーブルの施工不良なんて余計なリスクは取りたくないのです。実際トラブルになること多いですから...
ただ、ラック間の結線とか例外的な距離を配線する場合は自作(というより、配線してからコネクタをつける)ことになりますね。これは他にやりようがないので。
それでもデータセンターによってはラックをまたぐ配線はセンター側の責任での施工となる場合が多くて、結局ケーブリングの専門業者にやってもらうことになったりしますが。
長距離の場合安定性重視で光ファイバーで配線することも多いですが、こうなると自作は不可能ですね。(ちゃんとした業者に依頼しましょう)
本気で大規模なサーバ系案件の場合、別途ネットワーク収容架を設けてラック間は集合ケーブルでパッチパネルで渡したりします。この場合もやっぱり自作にはならないですね...
ま、そんなこといいながらもケーブルの自作ぐらいは出来て欲しいですね、やっぱり。
ということで隣の新人君は今日もケーブル作ってました ;-)