2007/10/23(火)魔法使いとランデヴー (野尻抱介/富士見ファンタジア文庫)
※例によって読んでから感想書くまでに相当経過しています。
超久々に帰ってきたロケットガールズ。(スカイガールズではありません)
普通の作品ならアニメ化にあわせて新刊出すところだけど、それにあわせなかった(あわせられなかった)のがなんとも。きっと間に合わなかったんだろう(苦笑)
*1
短編のほうはドラゴンマガジンで読んだ覚えがある。
ムーンフェイスをぶっ飛ばせ
日常的な間隔だと「宇宙ステーションから放り投げられる」というのは、二度と帰ってこれない絶望的な状況なんだけど、静止軌道上のステーションからであれば、実は絶対速度的にはたいした問題ではない、というネタ。もちろん十分に高速な(=第2宇宙速度以上で)放り投げられれば帰ってくることは出来なくなるんだけど。
言われてみれば納得の話なんだけど、言われないと気づかない不思議。
物語としては小ネタだけど、SF初心者にとっては面白い話しだねぇ。
あと、国際宇宙ステーションの行く末についても面白いアイデアだと思う。
クリスマス・ミッション
すちゃらかな自衛隊がえらい気に入った。魔法使いとランデヴー
これは絶対取り上げられるだろうと思った「はやぶさ」ネタ。もう少しタイムリーに登場していれば……
この話もSF初心者にとってはとても興味深く、「宇宙空間だけど重力があるミッション」を利用して「宇宙機の中で電気ポットで沸かしたお茶を飲む」というアイデアに脱帽。
高速で飛んでくる衛星をキャッチするためのテザー&キャッチャーは、まあ、SFな人なら出してきそうだけど*2、回転運動→重力→お茶会!は、野尻さんにしか書けないと思った。
あと、カイトを使っての大気圏進入ネタも。
これも「言われてみればそのとおり*3」という話だけど、我々の宇宙観的には「ありえない」。それこそSF初心者の私にとっては衝撃的な大気圏突入方法でしたよ。
もちろんSFらしく、どの話もポイントになる「うそ」*4が混じってるんだけどね。でも宇宙開発はSFから始まった、ということを実感するような一冊でした。
ちなみにもうひとつの短編はわりとどうでもよかったのでパス(もちろん読んだけどね)