2007/10/24(水)時載りリンネ! 1 (清野静/角川スニーカー文庫)
冒頭数十ページ読んだあたりで、「ハルヒみたいなセカイ系+読子さん*1or文学少女な遠子先輩*2の話かー」とか、ちょっとやな気持ちになってたんですが、私が間違っておりました。
ジュブナイル小説と呼ぶにふさわしい素晴らしい冒険小説ですよ。
これが「奨励賞」なんだから、スニーカー文庫はやっぱ奥が深い……
ストーリーやキャラクターの魅力もさることながら、文章の体裁がとても作品の雰囲気にマッチしている。ラノベの作家ってその辺が微妙な場合があるのだけど、この作品は読んでいて雰囲気に浸れるというのがとてもよろしい。
「大賞応募作」にありがちな続刊問題だけど、この話はあらかじめ予定していたのか、それとも改稿がうまくいったのか、この先もストーリーが続けられそうなのも好印象。
2007/10/24(水)みずたまぱにっく。 2―This is MIZUTAMASHIRO!! (ハセガワケイスケ/電撃文庫)
2007/10/24(水)アスラクライン 8 (三雲岳斗/電撃文庫)
2007/10/24(水)AKUMAで少女 (わかつきひかる/HJ文庫)
2007/10/23(火)魔法使いとランデヴー (野尻抱介/富士見ファンタジア文庫)
※例によって読んでから感想書くまでに相当経過しています。
超久々に帰ってきたロケットガールズ。(スカイガールズではありません)
普通の作品ならアニメ化にあわせて新刊出すところだけど、それにあわせなかった(あわせられなかった)のがなんとも。きっと間に合わなかったんだろう(苦笑)
*1
短編のほうはドラゴンマガジンで読んだ覚えがある。
ムーンフェイスをぶっ飛ばせ
日常的な間隔だと「宇宙ステーションから放り投げられる」というのは、二度と帰ってこれない絶望的な状況なんだけど、静止軌道上のステーションからであれば、実は絶対速度的にはたいした問題ではない、というネタ。もちろん十分に高速な(=第2宇宙速度以上で)放り投げられれば帰ってくることは出来なくなるんだけど。
言われてみれば納得の話なんだけど、言われないと気づかない不思議。
物語としては小ネタだけど、SF初心者にとっては面白い話しだねぇ。
あと、国際宇宙ステーションの行く末についても面白いアイデアだと思う。
クリスマス・ミッション
すちゃらかな自衛隊がえらい気に入った。魔法使いとランデヴー
これは絶対取り上げられるだろうと思った「はやぶさ」ネタ。もう少しタイムリーに登場していれば……
この話もSF初心者にとってはとても興味深く、「宇宙空間だけど重力があるミッション」を利用して「宇宙機の中で電気ポットで沸かしたお茶を飲む」というアイデアに脱帽。
高速で飛んでくる衛星をキャッチするためのテザー&キャッチャーは、まあ、SFな人なら出してきそうだけど*2、回転運動→重力→お茶会!は、野尻さんにしか書けないと思った。
あと、カイトを使っての大気圏進入ネタも。
これも「言われてみればそのとおり*3」という話だけど、我々の宇宙観的には「ありえない」。それこそSF初心者の私にとっては衝撃的な大気圏突入方法でしたよ。
もちろんSFらしく、どの話もポイントになる「うそ」*4が混じってるんだけどね。でも宇宙開発はSFから始まった、ということを実感するような一冊でした。
ちなみにもうひとつの短編はわりとどうでもよかったのでパス(もちろん読んだけどね)