ぱらめでぃうす

"don" also known as "doumae" and "donz80"

電子工作

超小型で安価な直流電源 DPS3003

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最初から紛らわしい話なんですが、世間で流通している「DPS3003」という安定化電源は二つあるようです。一つがCUSTOMのDPS3003で、もう一つが今回取り上げるDPS3003です。

電子工作用の安価な電源が欲しい

電子工作をしていると何かしら電源が必要になりますが、これが結構めんどくさい。最近は5VならUSB-ACアダプタがそこかしこに転がっているので困らないんですが、5V以外の電圧が必要になるとすぐには出てこない。それに、5Vでもそれ以外の電圧でも、実際にちゃんと指定の電圧が出ているのか、どの程度の電流が流れているかというのが気になることがあります。こういうのはその辺のACアダプタではわかりません。ということで、それなりの電源ユニットが欲しくなるわけです。

冒頭で例に挙げたCUSTOMのDPS3003もそうですが、実験用の電源はそこそこ大きくて、そこそこ値段がするのが普通です。CUSTOMのDPS3003は1.5万円ぐらいだそうですがこれでも安物の部類。この手の機器で質のいいものを探したら価格はほとんど青天井……

そんななかで、超小型で超安価なのが今回取り上げる方のDPS3003。もちろん中国製。私が買ったものはマニュアルには杭州睿登科技有限公司と書いてありましたが、この会社のオリジナル製品なのかはわかりません……一応Webにはそれらしい写真が出ているんですけど。

DPS3003

DPS3003
DPS3003

青色のふたは100均で買ってきた食品用タッパーで、ケースにしています。電源の実態はふたに貼付いているモジュール部分。AmazonなんかのWebによると79mm*4.3cm程度。奥行き(高さ)は41mmと言うことになっていますけど、コイルが飛び出てたり接続ケーブルが飛び出てたりするのでもうちょっと高さが必要な感じ。

こんなサイズなので、当然AC100Vを直接入れることはできず、6V~40Vぐらいの直流で入力してやる必要があります。それをモジュール上で降圧して、指定した電圧・電流で安定化させて出力するというのがこの電源の仕組み。値段は日本で買っても3000円強と格安。eBayとかaliexpressで買えば送料込みで2000円台でも手に入ります。

ACアダプタはそこらに転がっている古いノートPCのACアダプタを使えばOK(無ければハードオフでジャンクを買ってこよう)。ノートPCのACアダプタは、大抵12V~20V位で2A~3A程度の出力がとれるというなかなかタフな電源なので、これを捨てるなんてもったいないわけです。つまり、DPS3003はノートPCのACアダプタを有効活用するためのモジュールと考えてもよいでしょう。なお、昇圧機能はないので、入力電圧以上の電圧は出力できないという点には注意。

DPS3003 (裏面)
DPS3003 (裏面)

ノートPC ACアダプタのケーブルをぶった切って直接DPS3003に接続しても良いのですが、接続部分がちぎれそうで少々不安。あと、このモジュールは何かのパネルに取り付ける前提のもので、裏面にカバーがない上にコイルが飛び出ていたりします。ということで、私は前述の通り食品タッパーに入れて、入力(ACアダプタ用)コネクタと、出力端子をつけました。……写真ではわりと細めの線材で配線してますけど、本当はもう少し太い線で配線すべきでしょうね。

DPS3003 (電圧・電流設定)
DPS3003 (電圧・電流設定)

ACアダプタをコンセントを差し込んで電源を供給すると、モジュールが起動します。この状態では出力には電圧はかかってません。ディスプレイで電圧と最大電流を設定してから「ON/OFF」スイッチを押すことで出力が始まります。

ちょっとわかりにくいのですがディスプレイ上部の小さい方の数字が設定電圧・最大電流。これを変更する場合、ディスプレイ左側の「V/↑」「A/↓」ボタンを押してから、ディスプレイ右側のつまみを回します。ボタンは電圧(V)・電流(A)のどちらを設定するかの指示で、ここでは上下の矢印は無関係です。変更モードに入るとカーソルが一番小さい桁に合っていて、つまみの回転で数字を合わせるのがめんどくさいと思うかも知れないですが、実はこのつまみはクリック(押し込む)ことができて、つまみを押し込むとカーソルが動いて直接上の桁の数字を変更できるようになってます。

出力を始めると、大きい方の数字に実際に出力されている電圧(V)・電流(A)・電力(W)が表示されます。対象の回路の動作にどの程度の電流が必要なのかを調べるためにテスターを接続する必要が無くて大変助かりますね。ちなみに一番下の「V-IN」は入力電圧です。

とりあえずそれだけ知っていれば最低限の利用に支障はありませんが、「SET」ボタンを押して設定画面に入ると、電圧・電流設定のプリセットを5つまで保存できたりとか、細々と機能があるので試してみても良いかと思います。私が買ったものの場合マニュアル(中文・英文)に一通りのことが書かれていました。

おそらく、ちゃんとした知識を持っている人からすると、電源のノイズの乗り方がどうなのかとか高負荷時にちゃんと電圧維持できるのかとか気になるところは色々あるのでそうけど、私レベルの工作だとこの程度で十分そうです。

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