QUECOO T85 日本語簡易マニュアル (勝手版)
このマニュアルは、筆者が自分用にまとめたものです。製品添付のUser Manualを参照していますが、対訳にはなっていないので注意してください。筆者は正確性を保証しません。(また、そもそも実機とマニュアルで動作が異なるような気がする箇所があります)
このハンダごてについて、別記事で私の視点での紹介を書いているので、合わせて読んでください。
お買い上げありがとうございます。製品の特性や利用方法を十分にご理解いただくために、使用前にこの取扱説明書を置く読むことをおすすめいたします。
1.製品紹介
- (1)コテ先
- (2)ロックナット
- (3)ボタンA
- (4)ボタンB
- (5)OLEDディスプレイ
- (6)グランド (アース端子)
- (7)USB Type-C & DC5521電源端子
2.特徴
- USB Type-Cによる電源供給、PD/QC急速充電プロトコル対応
- DC5521電源端子 (5.5mm/2.1mm DCプラグ)
- 0.87インチOLEDディスプレイ
- 9V~24V電源をサポート
- 高速加熱、7秒で半田を溶かすことが可能(20Vの場合)
- 2%の安定性を保つ温度制御
- 省電力モード、振動検知によるウェイクアップ
- 小型で持ち運びが簡単
- 逆接続保護
- LEDライト搭載、屋外の暗い環境に対応
- 短時間の高温が必要な場合のブースト機能
3.製品仕様
T85スマートハンダごて | |
---|---|
出力 | 65W |
温度範囲 | 80℃~480℃ (デフォルト300℃) |
電源端子 | USB Type-C / DC5521 |
急速充電プロトコル | PD/QC |
電圧範囲 | PD 9V~20V / DC 12V~24V |
ディスプレイ | 0.87インチOLED (128*32ピクセル) |
制御部サイズ | 114mm*16mm*15mm |
コテ先サイズ | 長さ100mm, φ5mm |
全長 | 165mm |
前重量 | 26g |
適合チップ(コテ先) | TS100/T85/SH72/T65※ |
(※訳注: 英語ページの表紙にはTS100/T85/T65/SH72/GD300/HS1のコテ先に適合すると記載されています)
4.電源の選択
PD/QC急速充電プロトコル対応電源アダプターを使用する
T85はPD/QC急速充電プロトコル(PD 9V~20V, DC 9V~24V)を使用して自動的に電圧を認識します。各電圧における、標準的な電流、電力、ハンダが溶ける時間は次の通りです。
電圧 | 電流 | 電力 | ハンダが溶けるまでの時間 |
---|---|---|---|
20V | >=3.25A | 65W | 8秒 |
15V | >=2.5A | 37.5W | 12秒 |
12V | >=2A | 24W | 17秒 |
9V | 1.5A | 13.5W | 30秒 |
注意
1. T85スマートハンダごては自動的に電圧を認識します。アダプターの最高出力電圧が20V未満の場合は、アダプターの最高電圧で動作します。たとえば、アダプターの最高電圧が12Vの場合、12Vで動作します。
2. アダプターの出力電圧が20Vであって、出力電流が3.25A未満の場合(つまり、電力が必要をし多摩合っている場合)、加熱が非常に遅くなり、指定された温度に達しない可能性があります。(他の電圧においても同様です)
3. 加熱開始後にハンダごてが再起動する場合、アダプターがショートしている可能性があります。逆接続保護機能が動作しています。(訳注: ACアダプターの出力電流が不足している場合、アダプターの保護機能が働き、加熱開始後にハンダごてが再起動することがある、ということを指していると思われる)
別の電源アダプターを使用する
PD/QC高速充電プロトコルに対応しない電源アダプタを使用している場合は、T85スマートハンダごてに「電圧警告」が表示され、ハンダごてが動作しない場合があります。別の電源アダプターと交換してください。
5.使用上の注意 (重要)
開梱後、次の図にしたがってコテ先を取り付けてください。
T85/T65/SH72チップの取り付け
- ロックナットを取り外す
- コテ先(チップ)を挿入します
- ロックナットを取り付ける
TSチップの取り付け (TS100/TS101チップではロックナットは使用しません)
- ロックナットを二つとも取り外す
- コテ先(チップ)を挿入します
6.振動ウェイクアップの説明
A.振動ウェイクアップ
T85スマートハンダごては振動ウェイクアップ機能をサポートしており、手がハンダごてを持ち上げる振動を検知します。スリープ状態でハンダごてを振動させると、自動的に起動して加熱状態になります。
B.ワークフローの説明
電源を接続すると、最初にロゴが表示され、次にボタン加熱インターフェース(訳注: ボタン押し下げ待ち)になります。その後、自動的にメインインターフェースになり、T85は通常の動作状態になります。(訳注: ボタン加熱インターフェースでボタンを押すとすぐにメイン画面に移行します)
ハンダごての動作モードは次の4つです。
- 動作状態(メインインターフェース)
- T85は加熱され、温度はユーザーが設定した温度に保たれます。ハンダごてが一定時間(スリープ時間設定)使用されない(揺れが検知されない、またはボタンが押されない)場合、スリープ状態に移行します。
- スリープ状態
- T85は加熱され、温度はスリープ温度(デフォルトでは200℃)に保たれます。揺れが検知されるかボタンが押されるとスリープ状態が終了し、メインインターフェースに戻ります。スリープ状態で一定時間(スタンバイ時間設定)が経過すると、スタンバイ状態に移行します。
- スタンバイ状態
- T85は加熱されません。コテ先の温度はゆっくりと室温まで下がります。ボタンを押すとスタンバイ状態が解除されます。スタンバイ状態で振動を与えてもウェイクアップしません。
C.メインインターフェース
- 設定温度
- コテ先温度
- 加熱パワー目盛り
- 動作電圧
D.操作
- 温度調整
- メインインターフェースでボタンA(温度を下げる)またはボタンB(温度を上げる)を短く押すと、設定温度を調整できます。メニューのステップを変更することで、温度調整の単位を変更できます。
- 温度のグループ化 (binning)
- メインインターフェースでボタンBを長押ししてメニューインターフェースに入り、温度グループ(B.GearSwitch)を選択し、ボタンA/ボタンBを押してパラーメータをONにします。(デフォルトはOFF) ボタンBを長押しすることで設定を保存して終了します。温度グループ化を有効にすると、メインインターフェースでボタンA/ボタンBを押すことであらかじめ設定しておいた温度を呼び出すことができます。このときの温度はメニューインターフェース項目C/D/Eで設定できます。
- 温度ブースト
- メインインターフェースでボタンAを長押しすることで温度ブーストモードに入ります。ブーストモードに入ると、コテ先の温度は設定値よりも+50℃まで加熱され、5分間維持されます。温度と時間は固定で変更できません。
- メニューインターフェース
- メインインターフェースでボタンBを長押しするとメニューインターフェースに入ります。メニューインターフェースではボタンA/ボタンBを押すことで項目を切り替えます。ボタンBを長押しすることで、メニューを選択します。メニューの中ではボタンA/ボタンBでパラメータを選択し、ボタンB長押しでパラメータを保存して終了します。
- (1)温度校正方法
- メインインターフェースで設定温度を350℃に設定します。温度が安定したら、温度計でコテ先の温度を測定して、設定温度と実際の温度の差(正の値、負の値)を記録し、メニューで設定します。
- (2)スリープ状態に入ったときの温度ステップ
- 設定温度のステップは5℃固定です。
- (3)温度校正のステップ
- 設定温度のステップは1℃固定です。
- 新しいコテ先をはじめて使用するときは、酸化を防ぐために250℃に加熱してハンダメッキをする必要があります。
- 新しいコテ先をはじめて使用する場合。温度が急激に上昇することがありますが、数回繰り返し使用すると安定します。
- ハンダコテの使用後はコテ先の酸化を防ぐために、コテ先に適切なハンダを塗布してください。
- ハンダコテ先の通常の使用温度は約300~380℃です。高温(420℃以上)で長時間使用しないでください。
- から焼きはコテ先の寿命に影響を与えます。
- ハンダ付け作業時はコテ先を強くぶつけないでください。
- コテ先が参加してハンダがつかない場合は、ヤスリなどで表面の汚れを丁寧に拭き取ってから電源を入れてください。250℃まで加熱し、再度の酸化を防ぐために、直ちに表面にハンダを塗布します。
- 濡れたスポンジや水を使用しないでください。コテ先が参加しやすいため、半乾きの状態が最適です。
- 表面の腐食を避けるために、塩素を含むフラックスや強酸性のフラックスは使用しないでください。
- ハンダごての動作中、ハンダごての温度は100~420℃に達することがあります。ハンダコテの先端には触れないでください。
- お子様の手の届かないところに保管してください。
- 本機を濡らしたり、湿った環境で使用したりしないでください。
- 長時間使用しない場合は電源を切ってください。
- 20V以下の電源アダプターを使用してください。そうしないとデバイスが正常に動作しなかったり、損傷したりするすることがあります。
- 通常の使用中に、ハンドルのグリップが一定の温度(約40℃)になりますが、これは正常な現象です。安心してご使用ください。
- (1)私たちは製品の品質を約束します。販売日から7日以内に通常の使用で製品が故障した場合、お客様は返品か保証を選択できます。(返品は二次販売店に影響を与えない場合にのみ可能です) 1年以内の故障の場合、無償で保証を行います。
- (2)購入日は販売者が発行する請求書もしくは領収書の日付に基づくものとします。オンラインショッピングの場合はスクリーンショットで代用できる場合があります。
- (3)次の場合は無償保証サービスの対象外となります。人為的な破損、不正な改造、メンテナンスに起因する損傷。コテ先は消耗品のため保証対象外となります。
7.メニューの説明
メニューは14項目あります。各項目の意味、工場出荷時の設定、および設定範囲を次の表に示します。
メニュー項目 | 説明 | 工場出荷時設定 | 設定範囲 |
---|---|---|---|
0. EXIT | メニューを終了したメインインターフェースに戻る | ||
1. Sleep Temp | スリープ状態に入ったときの温度 | 200℃ | 80℃~250℃ |
2. Sleep Time | 振動停止後、スリープ状態に至るまでの時間 | 3分 | 1~60分 |
3. Standby Time | スリープ状態からスタンバイ状態に至るまでの時間 | 3分 | 1~60分 |
4. Stepping | 温度調節時のステップ | 5℃ | 1~50℃ |
5. Unit Switch | 画面に表示する温度の単位(摂氏・華氏) | ℃ | C/F |
6. Language | 画面に表示する言語(中国語・英語) | 中文 | 中文/English |
7. Display | 画面表示の回転(右手用・左手用) | 0° | 0°/180° |
8. LED Switch | ハンドル先端部分のLEDのON/OFF | OFF | ON/OFF |
9. Tip Adjust | 設定温度と実際の温度のオフセット設定 | 0℃ | -80~+80℃ |
A. Voltage | 電源電圧 | 自動(設定不可) | PD 9-20V, DC 9-26V |
B. Gear Switch | 温度グループ化のON/OFF | OFF | ON/OFF |
C. Gear 1 Temp | グループ化No.1の温度 | 300℃ | 80~480℃ |
D. Gear 2 Temp | グループ化No.2の温度 | 350℃ | 80~480℃ |
E. Grar 3 Temp | グループ化No.3の温度 | 400℃ | 80~480℃ |
F. Reset | 設定パラメータを工場出荷時の状態に戻す |