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停電時にひかり電話は使えるのか?

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休日出勤して仕事をしていたら「停電時にひかり電話は使えるのか?」という話がTwitterで流れていたので、簡単にまとめておく。なお、ここで指しているのはNTT東西が提供する「フレッツ光ネクスト」と組み合わせて使う家庭用「ひかり電話」とする。NTT東西でも法人向けのひかり電話は構成のバリエーションが多く、事情が異なる。また、NTT東西以外の他社が似たような名称で提供するサービスもあるが、これは全く関係の無いサービスなので、ここでは取り扱わない。なお、NTT東西で共通の事項については、リンク先はNTT東日本とした。

電話が使えると言うこと

こういう文脈で「電話が使える」というのは、家にある電話機の受話器を取り上げてだれかと通話できるかどうか、ということだろう。最終的に通話ができるかどうかは通話の相手先の状況にもよるのだが、それは考えない。また、停電などの災害に強い「アナログ加入電話」に比べてひかり電話はどの程度「弱い」のかというのがポイントになる。

停電時にひかり電話が使えるかどうかを考えるためには、次の項目に分ける必要がある。それぞれ個別に考える。

  • 収容局に給電されているか
  • 線路に給電されているか
  • ホームゲートウェイに給電されているか
  • 電話機に給電されているか

収容局に給電されているか

収容局というのは、家庭から出た電話線が最初に入る電話局(ビル)のことである。ここに電気が来ていないと、当然電話が使えない。これについてはアナログ加入電話であっても、ひかり電話であっても事情は同じなので、ひかり電話が特別に劣る部分はない。

なお、一般的に収容局には蓄電池装置や自家発電装置が備え付けられており、少々の停電1では収容局が動作不能に陥ることはない。停電が長期間に及んだり、収容局自体が破壊されたりすると、電話が使えなくなる。

線路に給電されているか

線路というのは収容局から家庭まで引かれている通信回線のことである。「給電されているかどうか」と書いたが、実はひかり電話であってもアナログ加入電話であってもこの区間に特別に電気を給電する必要は無い。2フレッツで用いられている光ファイバーは、電柱や地下にある区間は無給電で動作するように作ってある。3なので停電が起きてもこの区間に影響はない。従って、ひかり電話がアナログ加入電話に劣る部分はない。

ホームゲートウェイに給電されているか

これは、戸建てタイプ(光ファイバー直収)とマンションタイプで事情が異なる。

戸建てタイプ

収容局からの光ファイバーが直接家庭内まで引き込まれているタイプである。このタイプの場合、屋内にひかり電話ホームゲートウェイ(以下、HGW)と呼ばれる装置が設置される。このHGWは家庭のコンセントから給電されて動作するため、停電時には使えない

しかし、NTT東西もそんな問題はわかっており、オプションではあるが、停電時に利用できるHGW用バッテリーを提供している。

この「光モバイルバッテリー」を使用することにより、停電時でもHGWを稼働させることができる。つまり、ちゃんと備えていれば、停電時でもひかり電話は使えるのである。ただし、自覚して備え無ければならないという点で、アナログ加入電話に対して劣っている。


追記

いつのまにかNTT東日本の「光モバイルバッテリー」が販売終了になっていたようだ。現在は一般的なUPSを販売している。ただし、機能のわりにかなり高価なので、このページの下で紹介している安価なUPSを利用した方がいいと思う。(出来ることは同じだ)

参考までに光モバイルバッテリーについてのリンクを残してしておく。

ちなみに、「光モバイルバッテリー」が提供される前に、アルカリ電池用の電池ボックスが提供されていたこともある。


マンションタイプ

マンションタイプは建物内の配線方式によりVDSL方式、LAN配線方式、光配線方式に分かれる。この中で、光配線方式は無給電で動作する「光スプリッタ」を使っているため、戸建てタイプと同様の扱いとなる。家庭内にバッテリーを備えておけば停電の影響を回避できる。

しかし、VDSL方式とLAN配線方式では、建物共用部に設置された「主装置」に建物のコンセントからの給電が必要だ。停電時に主装置への給電が途切れると、そこで通信が途絶する。このため、家庭内にバッテリーを備えていても停電の影響を回避できない

意識の高い建物では、主装置にもバッテリーが備え付けられているかもしれないが、多くのケースではそのような設備はないだろう。従って、マンションタイプ(VDSL方式・LAN配線方式)は、停電に対して弱く、回避方法がないということになる。

電話機に給電されているか

最後に家庭内の電話機についても言及しなければならない。これはひかり電話・アナログ加入電話に共通の事項である。

電話機は、家庭内のコンセントからの給電が必要なものと、給電が不要なものの二種類がある。一般に、コードレスホンや留守番電話機能、FAX機能付き電話機は給電が必要である。大昔の黒電話や、何の機能も無いシンプルな電話はコンセントからの給電なしに動作する。

コンセントからの給電が不要な電話機は、収容局から電話線を通して供給される電力で動作する。ひかり電話の場合は、収容局の代りに、HGWが電話機に対して電力を供給している。従ってHGWにさえ給電されていれば、これらの電話機は利用可能である。

留守番電話・FAX機能付き電話はコンセントからの給電が必要と書いたが、これらの電話機の中には停電対策機能を持っている機種もある。一つの方法は、電話機本体にバッテリーを搭載すること。もう一つの方法は、親機の受話器を使った通話など、必要最低限の機能だけを収容局(HGW)からの給電で動作させることができるようにすることである。

いずれの方式も、停電時にはその電話機の機能がフルに使えるわけではなく、機能が制限されるが、日常的に利用する多機能な電話機でも停電時に使えるものがある、というのは大きなメリットである。非常用のシンプルな電話機を別途確保する必要が無い。製品選択の際の一つの指標になるだろう。

まとめ

「停電時にひかり電話が利用できるか」という問いに対しては、「すべてのケースではないが、停電時でもひかり電話を使えるようにすることはできる」というのが回答になる。

NTT東西もアナログ加入電話の代替とすべく普及に努めているだけあって、一応オプションも用意している。もう少し積極的にPRしてもいいとは思うが、いくらHGWにバッテリーを備え付けたとしても、電話機が停電対応のものでなければ意味が無いというのがネックになっているのかもしれない。気になる向きは電話機とセットで導入してみるのもよいだろう。

ただ、この「光モバイルバッテリー」、価格が8000円もするし、事前にACアダプタで充電しておかなければならないし、停電時には自分で配線をつなぎ替えなければならないなど、正直使い勝手が良いとは言いがたい。それだったら小型のUPS(4500円ぐらい)をかってHGWとコンセントの間に設置した方が、よっぽど使い勝手が良い。ついでに電話機の親機もつないでおけば、停電対応でなくてもとりあえず使える。(HGW+電話機程度ならこの程度のUPSでも相当時間給電できる)

我が家の場合、ファイルサーバとHGWと電話機をまとめてもう少し大型のUPSで保護している。

備えあればうれしいな憂いなし、ということで。



  1. 耐えられる時間はビルによる []
  2. アナログ加入電話の場合局舎から給電されている []
  3. 分岐部分は「光スプリッタ」という無給電で動作する素子を使っている。 []