ぱらめでぃうす

"don" also known as "doumae" and "donz80"

電子工作

BSIDE ZT-X もしくは AIMOmeter ZT-X もしくは ZOYI ZT-XもしくはANENG Q1もしくはRICHMETERS RM409Bという名前のテスターについて

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「ZT-X」的なもの

先日、AIMOmeter M320という小型テスターを買った話を書きました。私にとってはこの程度の簡易なテスター(DMM…Digital Multi Meter)でも十分なのですが、強いて言うなら液晶表示が小さくておまけに奥まっているのでちょっと見にくいのが気になります。おまけに最近ダイヤルの接触が悪くて、測定中に表示が消えることもあって少々不便に。そんなときに新しい製品を見つけてしまったので、つい手を出してしまいました。

今回購入したのは、ANENG Q1というモデル。例によって中国ものですが、実はこのテスター、同じものが様々なブランドで出回っているようです。いずれも本体は同じで、左上のロゴの部分に張り付けられているシールが違うだけです。

  • BSIDE ZT-X (AliExpress BSIDE Official Store)
  • BSIDE ZT-X (AliExpress BSIDE TRADE HONGKONG CO., LTD Store)
  • AIMOmeter ZT-X (AliExpress BSIDE TRADE HONGKONG CO., LTD Store)
  • ZOYI ZT-X (AliExpress SHX Store) ※ケースがちょっと違う
  • ANENG Q1 (AliExpress ANENG Official Store) ※添付品がちょっと違う
  • RICHMETERS RM409B (AliExpress RICHMETERS Official Store)
ZT-X OEM先
ZT-X OEM先
ZT-X OEM
右下の外箱、ブランド名の部分が「LOGO」になっている。

ブランドや付属品によって値段が違いますが、本体だけなら2,500円~3,000円前後かなと思います。

どうもAIMOmeter社 (深圳艾默电商有限公司)が大本の製造工場で、それをBSIDEブランドで売っているのが比較的元祖っぽいのではないかと感じています。(秋月で扱っているMASTECブランドもこの会社の関連の様子)YouTubeのレビュー動画なんかを見ていると、スペイン語とかポルトガル語とかロシア語とか、レビュアーの言語によって取り上げられているブランドが違っています。地域毎にOEM先が違うのかもしれません。ご丁寧に、汎用版のパッケージは製品写真のロゴの部分が「LOGO」とだけ書かれた中立な表示になっており、いかにもOEM向けの商品なんだなぁと思わせます。


Aliexpressでも日本のAmazon.co.jpでも各ブランドの製品が出回っていますが、たまたま今回はANENG Q1ブランドのものが特価で販売されていたので、それを買ってみました。ただ、話がややこしくなるので、この記事では「ZT-X」という名称で表記します。

外観・電源

ZT-X サイズ感
ZT-X サイズ感

テスター(DMM)には大型のものから小型のものまで色々サイズがあります。写真左側の黄色のものは大きすぎて机においておくには邪魔です。一方、写真右側の以前使っていたAIMOmeter M320はポケットテスターと呼ばれる小型のものです。ZT-Xはちょうどその中巻ぐらいでしょうか、この程度ならデスクサイドに常備しても邪魔ではありません。 重量はケーブル込みで200g程度なので携帯にも問題ないでしょう。

ZT-Xで一番目を惹くのが大型のLCD、しかもバックライトが付いていて大変視認性がよいです。液晶が反転していて文字が白いのは好みが分かれるかも知れませんが、私はかっこいいと思います。数字の下にはバーメーターもあります。



電池
電池

大型液晶とバックライトで気になるのは電池の持ちです。ZT-Xは単三電池2本で動作するので、それなりに電池が持つだろうと思います。(まだ電池が切れるまで使い切ってないので……) AIMOmeter M320のようなポケットテスターは小型化のためにLR44のようなボタン電池を使っていて電池の持ちが悪い、また、大型のテスターは006Pを使っていて電池の入手性が悪いという悩みがあるので、単三2本というのは色々助かります。YouTubeでは本体内にリチウムイオンバッテリーを内蔵して充電式に改造をしている人を何人か見かけますが、そこまではしなくてもいいかな……。


付属品

プローブ
プローブの先をねじ込み式で交換できる

OEM元が出荷しているのは本体、プローブ、熱電対、マニュアル(英語)のようで、これはどこで買っても同じものが着いてくるようです。あとはOEM先によってケースが付いてきたり、追加のプローブが着いてきたりします。私が買ったセットでは、先端が交換できるプローブが付属していました。テスター棒・クリップと用途に合わせて差し替えられるので便利です。


計測機能

大型液晶とバー表示
大型液晶とバー表示

精度とか細かいことは商品ページを見てもらった方がいいと思いますが、ざっとスペックをおさらいしておきます。なお、この手の商品にありがちですが、本当にスペックどおりに動くのかどうかはわかりません。

  • DC電圧: 0.001mV~999.9V
  • DC電流: 1μA~9.999A
  • AC電圧: 0.001mV~999.9V
  • AC電流: 1μA~9.999A
  • 抵抗: 0.01Ω~99.99MΩ
  • 容量: 0.001nF~9.999mF
  • 周波数: 0.01Hz~5MHz
  • デューティ比: 1%~99%
  • 温度: -20℃~1000℃ (付属の熱電対)

ほか、LEDの順方向電圧(VF)測定と導通テスタもあります。導通テスタでちゃんとブザーが鳴るところがお気に入り。

変わった機能として、NCV modeという非接触で電気が来ているかを検知するモードもあります。コンセントに電気が来てるかとか、壁の裏の配線がどこにあるかとか調べるのに使うみたいですね。



電流レンジ
電流レンジ

基本的には普通のテスターなので使い方に変わったところはないのですが、DC/ACの電流レンジへの入り方だけ戸惑いました。プローブを電流側の端子に差し替えると自動的に電流レンジに切り替わります。


まとめ

ということで、LCDがちょっとかっこいい以外は概ね普通のテスターかと思いますが、これが3,000円前後(OEM先やセットによって上下あり)で購入できるというのはまあまあ良いと思います。もちろん国産の鉄板機種と比べると、精度の面なんかで気になるところはあるのですが…趣味で使う分には実用上問題ないと思いますけどね。電子工作のお供に一台買っておいてはいかがでしょうか。