HCW-M635やXH-M609という商品名で販売されているモジュールの使い方をまとめました。このモジュールは鉛蓄電池などに接続して、電池の電圧を監視し、過放電を防止する機能があります。
蓄電池は放電とともに電圧が低下しますが、指定された放電終止電圧を下回って放電を続ける「過放電」になると電池に深刻なダメージを与えます。適切な電圧で放電(=出力)を止めることが重要です。このモジュールは指定された電圧でリレーを操作し電池からの出力をカットすることで、過放電を防止します。また、充電が行われて電圧が戻ると自動的に出力を復帰させる機能もあります。
このモジュールはAmazonやAliexpressで数百円で販売されており入手性がよいのがメリットです。また、7seg LEDで充電池の放電電圧も確認できること、充電池の電源だけで動作するので使い勝手もよいでしょう。
HCW-M635 / XH-M609 過放電制御モジュールの機能
- 本体動作電圧6V~36V
- 電圧表示 (分解能0.1V)
- 入力電源が指定電圧を下回った場合の出力カット
- 出力カット後、入力電圧が指定電圧を上回った場合の出力復帰
- 出力再開までの遅延タイマー (0分、1分、5分、10分)
結線・ボタン配置
設定
入力側に適当な電源をつないで7seg LED点灯を確認。
通常状態では7seg LEDに入力電圧を表示している。
電圧キャリブレーション
+ボタン長押しで7seg LED全体が点滅。(キャリブレーションモード)
入力電圧と同じになるように+-ボタンで7seg LEDの表示を調整。3秒間放置で設定値を記憶。
キャリブレーション実行中は表示電圧が+0.1V程度になる傾向。入力電圧の+0.1Vぐらいに設定すると運用状態で適当な電圧が表示される。(個体差の可能性もあるが)
出力カット電圧、復帰電圧の指定
-ボタンダブルクリックで7seg LEDピリオド部分が点滅。(出力カット電圧指定モード)
+-ボタンで7seg LEDの表示を変更して出力カット電圧に調整。3秒間放置で設定値を記憶。例えば、10.6を指定すると、入力電圧が10.6Vを下回った瞬間(表示は10.5)に出力がカットされる。(10.6Vは鉛蓄電池の放電終止電圧)
-ボタンダブルクリックで7seg LEDピリオド部分が点滅。(出力復帰電圧指定モード)
+-ボタンで7seg LEDの表示を変更して出力復帰電圧に調整。3秒間放置で設定値を記憶。ここで指定する値は、カット電圧との差分であることに注意。例えば、カット電圧が10.6に設定されていて、復帰電圧が1.4に設定されている場合、入力電圧が10.6V+1.4V=12.0Vを上回った場合(表示は12.1)に出力が復帰する。
出力カット電圧、復帰電圧の確認
-ボタン単押しで出力カット電圧を表示。3秒放置で復帰。
+ボタン単押しで出力復帰電圧を表示。3秒放置で復帰。
復帰遅延タイマーの設定
-ボタン長押しでLEDが0**表示に。(遅延タイマー設定モード)
+-ボタンで復帰遅延タイマーを指定。表示は000(遅延なし)、001(1分)、005(5分)、010(10分)。3秒間放置で設定値を記憶。
入力電圧低下→出力カットの後、出力復帰電圧に到達してから指定時間たたないと出力が復帰しない。瞬間的に電圧が上昇した場合に出力をばたつかせないためのタイマーとして動作する。
注意事項
スペックは販売サイトに書かれているものだが、本当にその電圧で動くのか確認していません。また、リレーで制御できる最大電流にも注意する必要があるでしょう。(手元のモジュールでは20Aのリレーが取り付けられていました)
似たような外観で使用や動作の異なるモジュールが流通している可能性があります。また、スペック通りの品質の部品が取り付けられていない可能性もあります。
バッテリーを接続するときはヒューズなどを使用し、短絡に注意しましょう。